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黒祠の島
小野 不由美 著「黒祠の島」



冷静な目を持つ作家、葛木志保が「3日で戻らぬときは、始末をつけてくれ」と、不吉な言葉と自宅の鍵を残し、失踪した。
葛木を探し、探偵式部剛は、彼女の故郷である、閉鎖的な島に乗り込む。
そこは明治以来の国家神道から外れた「黒祠の島」だった―不気味な風車と風鈴、そして不可思議な社。


そして、式部は葛木を探すうち、葛木が被害者と思われる殺人事件があったことを知る。
閉鎖的な孤島の殺人の連鎖を、紐解く。
私は、この作家さんが、推理小説を書いてるとはしらなんだ。
十二国記は、数冊読んだ記憶がありますが、結構肉厚な描写だったと思います。
ネズミの描写が、可愛いとかそういう感情面でなく、毛質や動作表現でもって、もこふわしてた記憶。
小説を読みきってしまってから、上記の作品の作家さんだと気付いたので、余計な予備知識無しで、読めて本当に良かったなと思えた作品。


帯等で、「閉鎖的で排他的」な島に主人公が挑むのだと思っていたので、意外に冒頭での島人との交流が友好的で、おや、と思ったが、親切めいた島人の言い分が少しずつ事実と離れ、小さな違和感が積っていく、この居心地の悪さと不気味さ。
これは、逆にあからさまな拒絶でないからこそ、背を這って来る恐怖が感じ取れた。
この小説の恐怖心は「じわじわ」と迫ってくる。


推理的には、少し不満があるが、それを補う文章力と重厚さ。
物語の中で、主人公が仕掛けられるトリックと、作者が読者に仕掛けるトリック。その両方を味わえる作品であるけれども、どちらかというと、小説だからこそ味わわせられる、後者の人物認識を使ったトリックの方が面白い。


志保と麻里の、入れ替わりは、推理小説を多少読んでいる人間ならば、すぐ予想がつくが、それを絶妙に隠す手法の見事さ。
主人公の式部も、当然入れ替わりに気付くが、それを一度覆されたときは、流石に騙された。
「実力派」ってこういうことなのだろうな~
違和感を持たせるのが、ものすごく上手い。推理の手がかりとも言うのかもしれないけれど。
個人的に、「自分も余所者だ」と言っていた医者が、あるときを境に「志保」と名を呼び始める時の、違和感が一番。
唐突に、推理が始まるいのではなく、やはりじわじわと物語が紡がれていく感覚が強いですね。


ただ、真犯人はどうかな~と。
「黒祠」も「守護」も納得できるのだけどね。もしかしたら、「馬頭鬼」としての「守護」は居ない方がよかったかもしれない。
あ、でもそうなると、あの異様さが半減か…
ん~難しい。他の部分が肉厚な分、なにかが足りない気がしてしまっているのかもしれない。
同じように、式部が突然に宗教や妖怪に詳しく説明するのには少し違和感を覚えた。職業上というのなら、島に入る前に、少し情報を得ていたり、とかなんか、一文でいいから欲しかった気がする。
何でもしってるんだもんよ、式部氏。
でも、2段の350頁くらいだもんな~それでこんだけ詰まってたらしょうがないのかな?
本気で語らせたら、京極並なのが必要だろうしね…この枚数で、この厚みだったら、逆に凄いのかもしれない。


や、でも面白かった。
語っても足りないくらい、色んな切口で読める。
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【2007/07/07 23:18 】 | 推理小説 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
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